概要

アースソフト PT2 は、旧来の PCI バスに挿して使う日本国内向けデジタル TV チューナーカードです。地上デジタル(ISDB-T)・BS デジタル(ISDB-S)・110度 CS デジタル(ISDB-C)の3波を1枚でカバーし、チューナーを2基搭載しているため「録画しながら別チャンネルを視聴」「2番組同時録画」が1枚で成立します。結論から言えば、PCI スロットが物理的に残っているデスクトップを持っていて、自分でドライバや録画ソフトを組める人にとっては今も現役の選択肢です。逆に、いま組んだばかりの PC に挿そうとしている人や、挿せばすぐ使えることを期待している人には勧められません。

発売は2009年頃で、すでに10年以上が経過しています。それでも国内の録画環境として語られ続けているのは、3波2チューナーという構成と、有志が育ててきた周辺ソフトウェア群の存在が大きい部分です。ただしこの数字は、裏を返せば「使いこなせる前提の製品」という性格も示しています。

互換性ガイド

最初に確認すべきは、マザーボードに Classic PCI スロット(PCI Express ではない) が空いているかどうかです。ここを間違えると何も始まりません。見分け方は簡単で、PCI スロットは端子の切り欠きがスロット中央寄りに1つあり、隣の PCIe x1/x16 とは長さも金具の色も違います。Intel 6 シリーズや AMD 9xx 世代あたりまでのボードには PCI が1〜2本残っていることが多く、それ以降のチップセット世代では基本的に廃止されています。近年のボードで PCI と書かれているものは、チップセット直結ではなくブリッジチップ経由の場合があり、相性問題が出ることがあります。

アンテナ入力は F 型コネクタが2系統(地上波用と BS/CS 用)です。地デジと BS/CS を混合波で1本にまとめている家庭では、分波器を1つ用意して2本に分けてからカードに挿す必要があります。ここを「1本挿せば両方映るだろう」と考えて失敗する例は非常に多いポイントです。BS/CS 側はアンテナへの電源供給(給電)を別途どこかで行う必要がある構成もあるため、ブースターや分配器の給電端子の位置も含めて配線を確認してください。

対応 OS は公式には Windows XP / Vista / 7 までです。Windows 10 / 11 で使うこと自体は、有志が公開しているドライバや BonDriver、TVTest、EDCB といった録画ソフト群を組み合わせれば可能とされていますが、署名の扱いや設定ファイルの記述を自力で行う前提になります。手順は公式には保証されておらず、OS のアップデートで動かなくなる可能性も常にあります。カード自体の消費電力は大きくないため、電源容量を気にする必要はほぼありません。重量は222gで、拡張スロットへの負荷という意味でも問題になる重さではありません。

商品情報

仕様は次の通りです。数値は与えられた製品情報に基づきます。

項目 内容
インターフェース PCI
チューナー数 2
対応放送波 ISDB-T(地上デジタル)/ ISDB-S(BS デジタル)/ ISDB-C(110度 CS デジタル)
アンテナ入力 F 型コネクタ×2(地上波用・BS/CS 用)
対応 OS(公式) Windows XP / Vista / 7
重量 222 g

最新の価格は販売ページの表示でご確認ください。すでに生産が終了して久しい製品のため、この金額は新品の定価ではなく、流通在庫や中古・転売価格を反映したものと考えるのが妥当です。相場は出品状況で大きく振れますので、購入前に必ず商品ページで最新の価格を確認してください。海外からの購入価格として受け取らないでください。eBay 側は個別の出品価格の提示がなく、検索結果を都度確認する形になります。

件数としては多くありませんが、この種のニッチな拡張カードとしては十分な母数で、評価が割れていない点は安心材料です。

競合製品との比較

今から「テレビを録りたい」という目的だけで選ぶなら、比較対象になるのは PCI ではなく USB 接続の外付けチューナーや、より新しい PCIe 接続のカードです。それらは対応 OS が現行で、メーカーのサポートも受けられます。PT2 が今も選ばれるのは、3波・2チューナーを1スロットで完結させられることと、既存の録画資産(設定・スクリプト・運用ノウハウ)をそのまま使い回せることが理由です。つまり「これから始める人」よりも「すでに同種の環境を運用している人が増設・更新する」ケースに向いた製品です。

また、同じ「キャプチャボード」という括りでも、HDMI 入力でゲーム映像や外部機器の映像を取り込む製品とは用途がまったく異なります。PT2 は放送波を受信するチューナーであり、HDMI 入力はありません。ゲーム配信や外部カメラの録画が目的なら、PT2 ではなく HDMI キャプチャ製品を選んでください。この点は取り違えが起きやすいので、購入前に自分の目的を切り分けておくことをお勧めします。

購入前の注意点

ここが最も重要です。まず PCI スロットの有無。2026年時点で市販されているマザーボードのほとんどに PCI スロットはありません。「変換アダプタで何とかなるのでは」と考えがちですが、PCIe から PCI への変換は動作の保証がなく、チューナーのような時間精度が求められるデバイスでは不安定になりやすい領域です。確実を期すなら、PCI スロットを持つ中古機を録画専用機として用意するほうが現実的です。

次に ソフトウェア環境。公式サポートは Windows 7 までで止まっており、現行 OS で動かすには有志の成果物に頼ることになります。これは「無料で使える」代わりに「動かなくなっても自己責任」という意味です。導入手順を検索して読み解き、設定ファイルを手で書き換えることに抵抗がある人は、素直に現行のメーカーサポート付き製品を選んだほうが幸せです。

3つ目は 中古品であること。メーカー保証は基本的に期待できません。基板上のコンデンサやコネクタは経年劣化しますし、初期不良でも返品対応が受けられない出品があります。¥39,980(2026年9月1日取得時点)という金額は、保証のない十数年前のカードに払う額としては安くありません。同じ予算で現行の外付けチューナーが複数台買えることは、判断材料として頭に置いておいてください。

4つ目は 4K 放送に非対応であること。新 4K8K 衛星放送の録画はできません。現行の地デジ・BS・CS を録るための製品と割り切る必要があります。

最後に、Amazon などの商品ページの登録情報は、まれに別商品のメタデータが混ざっていることがあります。掲載価格が製品の性格とかけ離れていたり、ブランド表記が食い違っていたりする場合は、商品画像とタイトルで対象製品を必ず確認してから購入してください。

よくある質問

Q. 手持ちの新しい PC に挿せますか?
A. PCI Express しかない PC には挿せません。物理的に形状が違います。マザーボードのマニュアルで「PCI」スロットの有無を確認してください。

Q. Windows 11 で使えますか?
A. 公式対応は Windows 7 までです。

Q. 2番組同時録画は本当にできますか?
A. チューナーを2基搭載しているので、仕様上は2番組の同時処理が可能です。ただし実際の挙動は使用する録画ソフトの設定に依存します。

Q. アンテナ線は1本で足りますか?
A. 足りません。地上波用と BS/CS 用で F 型コネクタが2系統あります。混合波で配線されている家庭では分波器が別途必要です。

Q. 4K 放送は録画できますか?
A. できません。対応するのは ISDB-T / ISDB-S / ISDB-C の従来放送です。

Q. 価格は妥当ですか?
購入時点の価格を必ず確認してください。

おすすめユーザー

  • PCI スロットが残った旧世代デスクトップを持っている人 — Core 2 Duo や初期 Core i シリーズ程度でも録画機として十分機能します。眠っている PC を専用機として再生させたい人には合理的です。
  • 3波を1枚でまとめたい人 — 地デジ・BS・CS を別々のカードで賄う必要がなく、スロットも消費電力も節約できます。
  • すでに同系統の録画環境を運用している人 — 設定やソフトの知見をそのまま流用でき、増設・予備機の確保として意味があります。
  • 裏番組録画を日常的に使う人 — 2チューナー構成が効いてくるのはこの用途です。

逆に、現行世代の PC しか持っていない人、公式サポートを重視する人、4K 放送を録りたい人、そして「挿すだけで使えること」を期待する人には向きません。 その場合は現行の USB / PCIe チューナーを選んでください。

販売情報

(Amazon参照)

  • メーカー名: アースソフト
  • ASIN: B002WLP190
  • 注記: 本記事はメーカー製造品をAmazon掲載情報に基づいて紹介しています。