概要
StarTech.com PEXUSB312A2C2V — USB 3.2 Gen 2 PCIe拡張カード、Type-C/Aポート搭載 は、デスクトップPCに USB 3.2 Gen 2x1(10Gbps)ポートを4つ追加するPCI Express拡張カードです。内訳はUSB Type-Cが2基とUSB Type-Aが2基で、コントローラにはASMedia ASM3142を2基積んでいます。UASP(USB Attached SCSI Protocol)に対応しているので、外付けSSDやNVMeエンクロージャの速度を引き出しやすい構成です。
結論から言うと、このカードの価値は2つあります。ひとつはType-Cを含む10Gbpsポートを一度に4つ増やせること、もうひとつはコントローラを2基に分けて負荷を分散していることです。キーボードやプリンタをつなぐポートが足りないだけなら、5Gbpsの安価な多ポートカードで十分です。このカードは、10Gbps対応の外付けストレージを何台も使う人や、背面にUSB-Cが欲しい人に向けた実務寄りの製品です。価格も高めです。
補助電源としてSATA電源コネクタを備え、Type-Cポートは5V/3A(15W)、Type-Aポートは5V/0.9A(4.5W)まで給電できます。バスパワーで動くポータブルSSDやUSBハブを挿しても電力が足りなくなりにくいのは、マザーボード直結のポートにはない安心材料です。
互換性ガイド
スロット:PCIe 3.0 x4 が前提
推奨はPCIe 3.0 x4スロットです。PCIe 2.0 x4でも動きますが、性能が落ちます。PCIe 2.0は1レーンあたりの帯域がPCIe 3.0のおよそ半分なので、複数のポートを同時に高速で使う場面ほど差がはっきり出ます。10Gbpsを活かすためのカードなので、3.0スロットに挿すのが基本と考えてください。
カード自体はx4なので、x16形状のスロットにも物理的に挿さります。ただし、マザーボードの2本目以降のx16形状スロットは、電気的にはx4・x2・x1しか配線されていない場合があります。チップセット側のスロットはM.2スロットやSATAポートとレーンを共有していることも多く、片方を使うともう片方が無効になったり遅くなったりする設計も珍しくありません。購入前にマザーボードのマニュアルで「どのスロットが何レーンで、何と排他か」を確認してください。端が閉じたx1スロットには物理的に入りません。
物理配置:GPUとの干渉
グラフィックボードのすぐ下のスロットは、GPUのクーラーが2〜3スロット分を占めて塞いでいることがあります。空いているように見えても、カードを挿すとGPUの吸気を邪魔する位置関係になることもあるので、スロットの並びは実物で確認しておくと安心です。
ケース:フルプロファイルのみ
ブラケットはフルプロファイルのみで、ロープロファイル(省スペース型)のケースには取り付けられません。スリム型のメーカー製PCや一部の小型ケースでは使えないため、拡張スロットの高さを先に確認してください。Mini-ITXマザーボードは拡張スロットが1本しかなく、ふつうはGPUが使います。そのためMini-ITXでこのカードを使えるのは、GPUを挿さずにCPU内蔵グラフィックスで運用する構成に限られます。
電源:SATA電源コネクタ
補助電源はSATA電源コネクタです。電源ユニットのSATA電源ケーブルに空きが1本あるか確認してください。Type-Cポートから15Wを給電する場合は必ず接続します。つながないとポートの動作が不安定になる可能性があります。
OSとUSB規格
対応OSはWindows・Linux・macOSで、Windows 8以降はドライバが自動でインストールされます。macOSで使えるのはPCIeスロットを持つMacだけです。USB 3.2 Gen 2x1(10Gbps)に対応し、USB 3.0・USB 2.0の機器も下位互換で使えます。USB 3.2 Gen 2x2(20Gbps)対応のSSDを挿した場合は、10Gbpsで動作します。
商品情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| コントローラ | ASMedia ASM3142(デュアル) |
| ポート | USB-C ×2、USB-A ×2(計4ポート) |
| 最大転送速度 | 10Gbps(各ポート) |
| UASP | 対応 |
| 補助電源 | SATA電源コネクタ |
| 給電 | USB-C:5V/3A(15W)、USB-A:5V/0.9A(4.5W) |
| 対応OS | Windows、Linux、macOS |
| 保証 | 2年間 |
ITプロフェッショナル向けに作られた、中〜上位クラスのUSB増設カードです。マザーボード標準のUSBポートでは足りない帯域やポート数を補う、という立ち位置がはっきりしています。メーカー保証は2年で、無料のテクニカルサポートも付きます。
Amazonの登録情報では、インターフェースの欄に「USB 3.0 Type A / Type C」と書かれています。USB規格は世代名が何度も変わったため表記が揺れやすいのですが、このカードの転送速度の仕様は各ポート10Gbps(USB 3.2 Gen 2)です。「USB 3.0」という表記を見て5Gbpsの製品だと誤解しないようにしてください。
最新の価格は販売ページの表示でご確認ください。価格は時期やセールで変わるので、購入時は各商品ページで最新の価格を確認してください。USB増設カードとしては高めの部類で、同じポート数の5Gbpsカードとはかなり差があります。
最新のユーザー評価は販売ページの表示でご確認ください。件数が多くないので、大まかな傾向をつかむ程度の参考と考えるのが妥当です。
競合製品との比較
| 選択肢 | 向いている人 | 割り切る点 |
|---|---|---|
| このカード(10Gbps×4、C×2/A×2) | 高速SSDを複数台使う、背面にUSB-Cが欲しい | 価格が高い、x4スロットが要る |
| 5Gbpsの多ポートカード | 周辺機器の数を増やしたいだけ | 外付けSSDの速度は頭打ちになる |
| USB-Cポートが多いマザーボードへの買い替え | どうせ近いうちに組み替える | 費用も手間もかかる |
判断の目安は、「10Gbpsで速度が変わる機器を持っているか」です。外付けSSDやNVMeエンクロージャを持っていないなら、このカードの強みはほぼ活きません。逆に、動画素材を外付けSSDでやり取りするなど、転送時間が作業時間に直結する人には価格差を回収しやすい製品です。同じASM3142を積んだ他社のカードもあるので、ポート構成(Type-Cの数)、給電能力、補助電源の方式を比べて選んでください。
こんな人におすすめ
- 外付けSSDやNVMeエンクロージャを複数台使うクリエイターや動画編集者。 UASP対応と10Gbpsの組み合わせで、USB 3.0(5Gbps)接続より大幅な速度向上が期待できます。
- 背面にUSB-Cポートが無い、または1つしかないデスクトップのユーザー。 Type-Cを2基まとめて増やせる点は、Type-Aしか増えない安価なカードとの大きな違いです。
- Micro-ATXなどで、ポートは足りないがPCIeスロットは空いているユーザー。 空いたx4スロット1本で、10Gbpsのポートを4つ確保できます。
- 複数のUSB機器を同時に使うパワーユーザー。 外付けHDD、キャプチャデバイス、VRヘッドセットなどを併用するとき、2基のコントローラに負荷が分かれるのは、1基のコントローラで多数のポートをまかなうカードより有利です。
- バスパワー機器を安定して動かしたい人。 SATA補助電源のおかげで、Type-Cから15Wを確保できます。
購入前の注意点
ロープロファイルのケースには付きません。 ブラケットはフルプロファイルのみです。スリム型PCに付けるつもりで買うと、そのまま返品になります。
スロットのレーン数とレーン共有を必ず確認してください。 x16形状のスロットでも中身がx1やx2しかない場合や、M.2 SSDと帯域を取り合う場合があります。「挿したら認識はしたが遅い」「M.2 SSDが見えなくなった」というトラブルは、たいていここが原因です。
4ポートすべてで同時に10Gbpsが出るわけではありません。 10Gbpsはポートごとの最大値です。カード全体の上限はPCIe 3.0 x4の理論帯域(約32Gbps)なので、10Gbps×4を同時に使い切る計算にはなりません。高速SSDを2台同時にコピーする程度なら困りにくいものの、全ポートを常にフル稼働させる前提の設計ではないと理解しておきましょう。
給電は5Vだけです。 Type-Cの給電は5V/3A(15W)までなので、ノートPCの充電やスマートフォンのUSB PD急速充電のような高い電圧の給電には使えません。15Wを使うときはSATA電源の接続が必須です。
映像出力やThunderboltは期待しないでください。 仕様にDisplayPort Altモードの記載はありません。USB-Cのモニターをこのポートにつないで映像を出す、という使い方は前提にしないほうが安全です。コントローラはUSBコントローラなので、Thunderbolt専用機器も使えません。
起動ドライブとして使えるかは環境次第です。 増設カード上のUSBポートから起動できるかどうかは、マザーボードのBIOS/UEFIに左右されます。USBメモリからOSを入れるときは、マザーボード直結のポートを使うのが確実です。
商品ページの表記に揺れがあります。 価格データの一部で販売チャネル名とリンク先の国が一致していなかったり、インターフェース欄が「USB 3.0」と書かれていたりと、登録情報に食い違いが見られます。購入時は商品画像と型番「PEXUSB312A2C2V」で、対象の製品であることを確認してください。
よくある質問
Q. PCIe 2.0のスロットでも使えますか?
A. 動作はしますが、性能が落ちます。1レーンあたりの帯域がPCIe 3.0の約半分になるため、複数ポートを同時に高速で使うと頭打ちになりやすいです。10Gbpsを活かしたいならPCIe 3.0 x4を用意してください。
Q. SATA電源はつながないといけませんか?
A. USB-Cから15W給電するなら必ず接続します。つながないとポートの動作が不安定になる可能性があるので、基本的には常に接続しておくのがおすすめです。
Q. ドライバは必要ですか?
A. Windows 8以降は自動でインストールされます。LinuxとmacOSにも対応していますが、macOSで使えるのはPCIeスロットを持つMacだけです。
Q. USB-CのモニターやノートPCの充電に使えますか?
A. どちらも前提にしないでください。給電は5V/3Aまでで、映像出力の記載もありません。データ転送と、バスパワー機器への給電のためのポートです。
Q. 20Gbps(Gen 2x2)対応のSSDは速くなりますか?
A. 10Gbps(Gen 2x1)で動作します。20Gbpsを出すには、Gen 2x2に対応したカードかマザーボードが必要です。
販売情報
(Amazon参照)
- メーカー名: StarTech.com(スターテック)
- 販売元: RADICAL (インボイス対応/適格事業者)
- ASIN: B099H4K4WZ
- 注記: 本記事はメーカー製造品をAmazon掲載情報に基づいて紹介しています。





