概要

AOOSTAR WTR PRO AMD Ryzen 7 5825u 4ベイNASミニPCは、8コア16スレッドの AMD Ryzen 7 5825U を積んだ、4ベイ構成の NAS 向けミニPCです。メモリも SSD も HDD も付かないベアボーンキットで、DDR4 SO-DIMM、M.2 NVMe SSD、SATA ドライブ、OS を自分で用意して組み上げます。結論から言うと、TrueNAS や OpenMediaVault、Proxmox などを自分で入れて運用できる人には、CPU に余裕のある 4 ベイ機として有力な選択肢です。一方で、電源を入れればすぐ使える既製品 NAS の手軽さを求める人には向きません。

ストレージは 3.5/2.5インチの SATA ベイが 4 基あります。各ベイの上限は 22TB とされているので、記載上の合計は 88TB です。これとは別に M.2 2280 NVMe スロットが 2 基あり、OS 用・キャッシュ用・仮想マシン置き場などに使えます。ネットワークは 2.5GbE が 2 ポート、映像出力は DP1.4(4K144Hz)・HDMI 2.1・USB-C(DP Alt Mode)の 3 系統です。

CPU はベース 2.0GHz/ブースト 4.5GHz、TDP 15W、7nm 世代のモバイル向けプロセッサで、PassMark(CPU)は 18677 です。標準負荷時の消費電力は 15W〜25W とされ、120 mm ファンで冷やす構造なので、24 時間動かしっぱなしのホームサーバーを想定した設計といえます。ただし、この消費電力に HDD を何台も載せたときの分がどこまで含まれているかは書かれていません。この点は後で説明します。

互換性ガイド

メモリ:ノート用 DDR4 SO-DIMM を 2 枚

メモリスロットは DDR4 SO-DIMM が 2 基で、3200MHz に対応し、最大 64GB(32GB×2)まで積めます。デスクトップ用の DIMM や DDR5 の SO-DIMM は物理的に挿さりません。買い間違いが最も多いのはここなので、商品名に「DDR4」「SO-DIMM」とあるかを必ず確認してください。デュアルチャネルで動かすには、同じ容量・同じ型番を 2 枚そろえるのが無難です。

ZFS(TrueNAS など)を使う予定なら、メモリは多く積むほど読み込みキャッシュとして効きます。データ保全のために ECC メモリを前提にしたい人もいるでしょうが、この製品の仕様には ECC 対応の記載がありません。ECC が必須と考えるなら、メーカーに確認するか別の製品を選ぶほうが安全です。

ストレージ:SATA ベイ 4 基と M.2 NVMe 2 基

SATA ベイは 3.5インチ・2.5インチの両方に対応します。各ベイの上限は 22TB と記載されているので、それより大容量の HDD は動作保証の範囲外になる可能性があります。NAS 用途なら、24 時間稼働を想定した NAS 向けの HDD を選ぶのが定石です。

M.2 スロットは 2280 サイズの NVMe 専用で、SATA 接続の M.2 SSD は使えません。互換性データでは PCIe 3.0 とされているため、PCIe 4.0 の SSD を挿しても PCIe 3.0 の速度で動きます。高価な Gen4 SSD を選ぶ意味は薄く、Gen3 クラスか値ごろな Gen4 で十分です。

OS:付属しないので自分で入れる

OS は付属しません。Windows 11 Pro が動作するとされていますが、ライセンスは別に必要です。NAS 用途なら、無償で使える TrueNAS や OpenMediaVault、有償ライセンスの Unraid、仮想化基盤の Proxmox VE などから選べます。OS は M.2 SSD に入れ、SATA ベイの 4 台はデータ専用にすると、ベイを OS に取られずに済みます。

電源:DC 12V アダプタと HDD の起動電流

電源は DC 12V 入力です。3.5インチ HDD は回転を始める瞬間に一時的に大きな電流を必要とするため、4 台を同時に起動させると、待機時の消費電力からは想像しにくいほどの負荷がアダプタにかかります。付属アダプタの容量は商品ページで確認してください。純正以外のアダプタに替える場合は、電圧・極性・容量を必ず合わせてください。

ネットワークと映像出力

2.5GbE が 2 ポートあるので、1 本を家庭内 LAN、もう 1 本を管理用や仮想マシン用の別セグメントに分けるといった使い方ができます。2.5GbE の速さを活かすには、ルーターやスイッチ側も 2.5GbE に対応している必要があります。1GbE の機器につなぐと、転送速度は 1GbE の上限で頭打ちになります。

映像出力は DP1.4・HDMI 2.1・USB-C の 3 系統で、最大 3 画面の同時出力に対応します。NAS はモニター無しで運用することが多いですが、OS のインストールや初期設定のときはモニターとキーボードを一時的につなぐ必要があります。USB は USB 3.0×2・USB 2.0×2 で、Micro SD カードスロットも備えています。

商品情報

主な仕様は次のとおりです。

項目 内容
CPU AMD Ryzen 7 5825U(8コア16スレッド、2.0GHz〜4.5GHz、TDP 15W、7nm、Socket FP6)
メモリ DDR4 SO-DIMM×2(最大64GB、3200MHz)※別売
ストレージベイ 3.5/2.5インチ SATA×4(最大22TB/ベイ)※ドライブ別売
M.2 M.2 2280 NVMe×2 ※SSD別売
ネットワーク 2.5GbE LAN×2
映像出力 DP1.4(4K144Hz)、HDMI 2.1、USB-C(DP Alt Mode)
USB USB 3.0×2、USB 2.0×2
冷却 120 mmファン
消費電力 15W〜25W(標準負荷)
保証 12ヶ月

価格はいずれも取得時点のものです。Amazon では 2026年7月18日の取得時点で ¥73,829、2026年8月19日の取得時点で ¥68,354 でした。最新の価格は販売ページの表示でご確認ください。購入前に商品ページで最新の価格を確認してください。また、これは本体だけの価格で、メモリ・SSD・HDD・OS ライセンスの費用は別にかかります。

最新のユーザー評価は販売ページの表示でご確認ください。初期不良や個体差の報告がないか、低評価のレビューにも目を通しておくと安心です。保証期間は購入日から 12ヶ月で、問い合わせはメールで受け付けています。

用途別の構成例

ベアボーンなので、何に使うかで必要なパーツが大きく変わります。目安として、次のような組み合わせが考えられます。

用途 メモリ M.2 NVMe SATA ベイ
ファイルサーバー・写真の保管 16GB OS 用 1 枚 HDD 2〜4 台(ミラーや RAID)
メディアサーバー(Plex / Jellyfin) 16GB OS 用 1 枚 HDD 2〜4 台
仮想化(Proxmox)+ NAS 32〜64GB OS 用と VM 用の 2 枚 HDD 2〜4 台
ソフトルーター 8〜16GB OS 用 1 枚 使わないか最小限

表はあくまで出発点です。ZFS を使うならメモリは多めに、仮想マシンを複数動かすなら 32GB 以上を見込んでおくと、後から困りにくくなります。HDD は最初から 4 台そろえなくても、2 台のミラーから始めて後で増やすことはできます。ただし RAID の方式によっては後から台数を足すのが面倒になるので、使う OS の仕様を先に確認してください。

既製品 NAS・一般的なミニPCとの違い

Synology や QNAP などの既製品 NAS は、専用 OS と純正アプリがセットになっていて、設定画面からバックアップや写真管理まで一通りそろうのが強みです。WTR PRO にはそうした純正のソフトウェア環境はなく、OS もアプリも自分で選んで設定します。そのかわり、8コア16スレッドの CPU と最大 64GB のメモリを使って、仮想マシンやコンテナを自由に動かせます。

一般的なミニPCとの違いは、3.5インチ HDD を 4 台まで本体内に収められることです。普通のミニPCで大容量のストレージを扱おうとすると、USB 接続の外付けケースに頼ることになり、配線が増えるうえ接続の安定性でも不利です。一方で、ゲームや動画編集が主な目的なら、新しい世代の CPU や GPU を積んだミニPCを選ぶほうが満足度は高いはずです。

おすすめユーザー

  • 自作 NAS を組みたい人:RAID の方式・ファイルシステム・OS を自分で決めたい人に向きます。手持ちの DDR4 SO-DIMM や NVMe SSD を流用できれば、初期費用も抑えられます。
  • 省スペースのホームサーバーを置きたい人:消費電力が 15W〜25W(標準負荷)と低く、ファイルサーバーや Plex・Jellyfin のメディアサーバーを 24 時間動かす用途に合います。H.264 や HEVC の動画なら、内蔵の Radeon グラフィックスによるハードウェア変換が期待できます。
  • NAS と仮想マシンを 1 台にまとめたい人:8コア16スレッドと最大 64GB のメモリがあるので、Proxmox などで NAS とホームオートメーションや小規模なサーバーを同居させる構成に向きます。
  • ソフトルーターを試したい人:2.5GbE が 2 ポートあるので、pfSense・OPNsense・OpenWrt を入れたルーターやファイアウォールとしても使えます。この用途なら、OS 用の M.2 SSD を 1 枚挿せば十分です。

購入前の注意点

本体だけでは起動しません。 メモリ、M.2 SSD、NAS として使うなら HDD、そして OS をすべて別に用意する必要があります。本体価格だけで予算を組むと、パーツ代で想定を大きく超えることがあります。大容量の HDD を 4 台そろえると、本体より HDD のほうが高くなるのが普通です。

消費電力の 15W〜25W は、HDD を積んだ状態の数字ではないと考えてください。 3.5インチ HDD は 1 台あたり数 W〜10W 程度を消費するのが目安で、4 台載せれば全体の消費電力ははっきり増えます。電気代を見積もるときは、本体の値に HDD の分を足してください。HDD のスピンダウン(使っていないときに回転を止める設定)で待機時の電力は下げられますが、アクセスのたびに回転が戻るまでの待ち時間が発生します。

AV1 のハードウェアデコードには対応していないと考えてください。 Ryzen 7 5825U の内蔵グラフィックスは H.264 や HEVC のハードウェア処理には対応しますが、AV1 には対応しない世代です。手持ちの動画が AV1 中心なら、メディアサーバーでの変換は CPU 頼みになり、負荷と消費電力が上がります。また、Plex でハードウェア変換を使うには有料プランが必要で、AMD の GPU での対応状況は OS によって異なるため、事前に確認してください。

ソフトルーターに使うなら、LAN のチップとドライバを確認してください。 公式の互換性リストは用意されていないため、pfSense や OPNsense のように FreeBSD 系の OS を使う場合は、搭載されている LAN チップがその OS で正しく動くかを自分で調べる必要があります。

静かさの感じ方は HDD 次第です。 120 mm ファンによる静音設計とされていますが、NAS では HDD の回転音やシーク音のほうが目立つことが多く、寝室や机の真横に置くと気になる場合があります。設置場所は HDD の音も含めて考えてください。

商品ページの表記も確認してください。 この商品の Amazon の掲載情報では、日本の Amazon のページなのに販売元・出荷元が「Amazon US」と表示されていることがあります。出荷元によって配送日数や返品・保証の窓口が変わることがあるので、注文前に販売元と出荷元の表示を確かめてください。同じシリーズに CPU の違うモデルが並んでいることもあるため、商品名と画像で Ryzen 7 5825U 搭載モデルであることも確認しておくと安心です。

よくある質問

Q. メモリや SSD は付属しますか?
A. 付属しません。ベアボーンキットなので、DDR4 SO-DIMM(3200MHz、最大64GB)、M.2 2280 NVMe SSD、SATA ドライブ、OS をすべて別に用意します。

Q. M.2 SATA の SSD は使えますか?
A. 使えません。M.2 スロットは NVMe 専用です。PCIe 4.0 の SSD を挿しても、互換性データ上は PCIe 3.0 の速度で動きます。

Q. 22TB より大きな HDD は使えますか?
A. 仕様上の上限は 1 ベイあたり 22TB です。それより大きい HDD が認識される可能性はありますが、記載の範囲外なので動作は保証されません。

Q. TrueNAS や Unraid は入れられますか? A.

OS を自分で入れる前提の製品なので、Windows 11 Pro のほか、TrueNAS、Unraid、OpenMediaVault、Proxmox VE などの x86 向け OS を導入できます。ドライバの対応は OS の版によって変わるため、導入前に各 OS のハードウェア対応情報を確認してください。

Q. ゲームにも使えますか?
A. 内蔵グラフィックスで軽いゲームは動きますが、3D ゲームを快適に遊ぶ用途には向きません。NAS・ホームサーバー用として選ぶ製品です。

販売情報

(Amazon参照)

  • メーカー名: AOOSTAR
  • 販売元: Amazon US
  • 出荷元: Amazon US
  • ASIN: B0F9WKBFQR
  • 注記: 本記事はメーカー製造品をAmazon掲載情報に基づいて紹介しています。