8BitDo メカニカルキーボード レトロエディション N (Keyboard Azerty)は、昔の家庭用ゲーム機を思わせる外観と、87キーのメカニカル構成を組み合わせたキーボードのAZERTY配列版です。AZERTYはフランス語圏で使われる配列です。見た目に惹かれて日本のAmazonで手に取る人が多い製品です。ただし、配列が日本語(JIS)配列ともUS配列とも大きく違う点が、満足できるかどうかの一番の分かれ目になります。この記事では、どんな人なら満足でき、どんな人は別の配列を選ぶべきかを具体的に整理します。

概要

結論から言うと、本製品が向くのは、普段からAZERTY配列でフランス語を打つ人か、AZERTY配列に慣れている人です。そういう人が8BitDoのレトロデザインを手元に置きたいときの選択肢になります。日本語入力や、英語でのプログラミングが中心の人は、同じデザインで配列の違う版を探したほうが満足度は高くなります。

キー数は87で、テンキーを省いたテンキーレス(TKL)の構成です。フルサイズより横幅が短いので、マウスを体の近くに置けて、肩や腕の姿勢が楽になります。スイッチはメカニカル方式です。メンブレン式に比べて一打ごとの感触がはっきりしていて、長時間打ち続けても押し切ったかどうかが分かりやすいのが利点です。

外観は、80年代の家庭用ゲーム機を連想させる配色とデザインが特徴です。数値の性能で選ぶ製品というより、デスクの雰囲気ごと選ぶ製品と考えるのが実態に近いでしょう。

AZERTY配列とは何か(日本の読者向けの前提)

AZERTYは主にフランスやベルギーで使われる配列で、左上の文字が「AZERTY」の順に並ぶことからこう呼ばれます。日本やアメリカで一般的なQWERTY配列とは、主に次の点が違います。

項目 AZERTY(フランス式) QWERTY(US / JIS)
左上の文字 QとWの位置にAとZ QとW
Mの位置 Lの右隣 Nの右隣
最上段の数字 Shiftを押しながら入力 Shiftなしで入力
括弧・@などの記号 AltGrとの組み合わせが多い 多くはShiftで入力
アクセント付き文字 é・è・à・ç などを専用キーで入力 専用キーなし

特に影響が大きいのは数字と記号です。フランス式AZERTYでは、最上段のキーをそのまま押すとアクセント付き文字や記号が入り、数字を打つにはShiftが必要です。表計算で数字をたくさん打つ人や、括弧・記号を多用するプログラマーは、慣れるまで入力速度が大きく落ちます。

同じAZERTYでも、フランス式とベルギー式では一部の記号の位置が違います。また、AZERTY配列のキーボードの多くは、縦長のEnterキーや左Shift横の追加キーを持つISO規格の形をしています。本製品の掲載スペックは87キーとなっているため、キーキャップの交換を考えている人は、Enterキーの形とキーの並びを商品画像で確認してください。

互換性ガイド

掲載スペック上の接続方式は有線USBです。USBポートのあるデスクトップPCとノートPCで使えます。キーボードとしての基本動作は一般的なUSBキーボードと同じで、Windows・macOS・Linuxのいずれでも特別なドライバーなしで認識される想定です。ケーブルの端子がUSB Type-AかType-Cかは掲載情報に無いため、Type-Cポートしか無いノートPCで使う場合は、変換アダプターが要るかどうかを確認してください。

注意したいのは、PCに認識されることと、刻印どおりの文字が入力されることは別だという点です。キーボードがOSに伝えるのは「どの位置のキーが押されたか」だけで、どの文字にするかはOS側のキーボード配列の設定で決まります。日本語環境のPCにつないだままだと、刻印は「A」なのに「q」が入る、といったずれが起きます。

OS 刻印どおりに使うための設定の目安
Windows 言語の設定でフランス語のキーボード配列を追加し、切り替える
macOS 入力ソースにフランス語のAZERTY配列を追加する
Linux デスクトップ環境のキーボード設定でフランス語配列を選ぶ

日本語入力と組み合わせる場合は、さらに注意が要ります。日本語の入力システムはJIS配列かUS配列を前提にしているものが大半です。そのため、AZERTY配列のままローマ字で日本語を打とうとすると、OSによっては設定が面倒になったり、刻印と実際の入力が合わない場面が残ったりします。「日本語はこのキーボードでは打たない」と割り切れる人向けです。

ノートPCにつないで使う場合も注意が必要です。配列の設定が内蔵キーボードと外付けキーボードで共通になるOSが多いので、内蔵がJIS配列なら、どちらか片方の刻印が必ず実際の入力とずれます。

商品情報

掲載データに載っている主な仕様は次のとおりです。

項目 内容
キー数 87
スイッチ メカニカル
配列 AZERTY
接続方式 有線USB
想定する機器 デスクトップPC・ノートPC

価格は、2026年9月23日の取得時点で、Amazon.co.jpで¥20,263でした。メカニカルキーボードとしては中価格帯です。セールや在庫によって変わるため、購入するときは商品ページで最新の価格を確認してください。

評価は、Amazon.co.jpで5つ星のうち4.7、レビュー39件でした(2026年9月の取得時点)。高評価ですが件数は多くありません。平均点だけで決めず、配列を理解したうえで買った人の感想かどうかを1件ずつ見ておくと、失敗を防ぎやすくなります。

販売元・出荷元は RAREWAVES-JP と表示されています。メーカーが直接販売しているわけではないので、保証の窓口と期間、初期不良のときの対応、付属品の内容、発送元と届くまでの日数は、購入前に販売ページの記載で確認してください。

おすすめユーザー

  • フランス語を日常的に打つ人:é・è・à・ç などのアクセント付き文字を専用キーで打てるので、フランス語の文章を書く機会が多い人には打ちやすい配列です。
  • AZERTY配列に慣れている人:フランス語圏で暮らしていた人や、仕事でAZERTY配列を使っている人なら、日本でもいつもの配列をそのまま使えます。
  • 8BitDoのレトロデザインが好きで、配列を分かったうえで欲しい人:飾るため、あるいは雰囲気のために選ぶなら、配列が違うことは大きな問題になりません。
  • デスクを広く使いたいテンキーレス派:87キーの構成なので、マウスを動かす範囲を広く取れます。

向かない人

  • 日本語入力が中心の人:前述のとおり、設定の手間と刻印のずれが常についてきます。JIS配列かUS配列の製品を選ぶべきです。
  • 英語でプログラミングをする人:括弧・波括弧・@・縦棒などの記号にAltGrを使う場面が多く、コードを書くリズムが崩れがちです。
  • 数字をたくさん入力する人:テンキーが無いうえに、最上段の数字もShiftが必要なので、表計算や数値入力の作業には不向きです。
  • 無線で使いたい人:この版の掲載スペックは有線USBのみです。
  • 勝敗にこだわってゲームをする人:ポーリングレートや応答速度の数値が掲載されていません。性能を数値で比べて選ぶ人には判断材料が足りません。

競合製品との比較

配列やデザインの方向性が違う選択肢と並べると、本製品がどういう位置にあるかが分かりやすくなります。

製品 選ぶ理由
8BitDo レトロエディション N(AZERTY) レトロデザインとAZERTY配列を両立したい
Keychron K3 Ultra 8K US配列で、無線の75%サイズが欲しい
Corsair K65 RGB MINI 英語配列の60%サイズで、ゲーム向けのスイッチが欲しい
Razer BlackWidow V4 75% ベアボーン スイッチやキーキャップを自分で選んで組みたい
GravaStar K1 Lite 見た目の個性と無線を両方重視したい

デザインを重視する点ではGravaStarと方向性が近いものの、配列がAZERTYに固定されている点が本製品の特徴です。日本語や英語で使うのが前提なら、上の表のUS配列・英語配列の製品のほうが設定の手間が少なく済みます。

購入前の注意点

一番多い失敗は、配列を見落として買うことです。 Amazon.co.jpの商品名には「Keyboard Azerty」と入っていますが、日本語の商品名の中では目立ちません。見た目が同じ別の配列の版と取り違えやすいので、注文前に商品画像で、左上が「AZERTY」の並びになっていることを必ず確認してください。

スイッチの種類(軸)が掲載スペックに明記されていません。 メカニカルスイッチは、種類によって打鍵音や押し心地が大きく変わります。カチカチ鳴るタイプだと、夜間や家族のいる部屋、オンライン会議中に気になることがあります。音が気になる人は、商品ページやメーカーの情報で軸の種類を確認してから決めてください。

接続方式は、この版の掲載スペックでは有線USBです。 8BitDoのレトロ系キーボードには、無線接続に対応したことをうたうモデルもあります。見た目が同じでも仕様が違う可能性があるので、無線で使いたい人は、購入する商品ページの記載で接続方式を確かめてください。

保証とサポートは販売元の条件を確認してください。 販売元が RAREWAVES-JP であるため、国内の正規代理店を通したものと同じ扱いになるとは限りません。初期不良があった場合の連絡先と返品の条件は、先に見ておくと安心です。

配列を後から変えることはできません。 OSの設定でQWERTYとして使うことはできますが、刻印は変わりません。刻印と入力を一致させたいなら、キーキャップを丸ごと交換する必要があります。前述のとおり物理的な形がISO規格の可能性があるため、一般的なUS配列用のキーキャップセットがそのまま合うとは限りません。

よくある質問

Q. このキーボードで日本語は打てますか?
A. OSの設定次第で打てますが、快適とは言えません。日本語の入力システムはJIS配列かUS配列を前提にしていることが多く、刻印と実際の入力がずれやすくなります。日本語が中心ならJIS配列かUS配列の製品をおすすめします。

Q. OSの設定でQWERTYとして使えますか?
A. 使えます。キーの位置と文字の対応はOS側で決まるためです。ただし刻印はAZERTYのままなので、キーを見ずに打てる人向けの使い方です。

Q. Macでも使えますか?
A. 有線USBで接続するキーボードなので、USBポートがあれば使えます。入力ソースにフランス語のAZERTY配列を追加すると、刻印どおりに入力できます。

Q. テンキーはありますか?
A. ありません。87キーのテンキーレス構成です。数字をたくさん入力する人は、別売りのテンキーを用意してください。

Q. 価格と評価はどのくらいですか?
A. 2026年9月の取得時点で、Amazon.co.jpで¥20,263、評価は5つ星のうち4.7(39件)でした。価格は変わるため、購入時に商品ページで確認してください。

販売情報

(Amazon参照)

  • メーカー名: 8Bitdo
  • 販売元: RAREWAVES-JP
  • 出荷元: RAREWAVES-JP
  • ASIN: B0DPJ3Y7WR
  • 注記: 本記事はメーカー製造品をAmazon掲載情報に基づいて紹介しています。