概要
Western DigitalのWD Red Plusシリーズは、NAS(ネットワークアタッチドストレージ)環境に特化して設計された内蔵ハードディスクです。本モデル「WD120EFBX-EC」は12TBの大容量を誇り、従来のSMR(シュリングル磁気記録)ではなくCMR(従来型磁気記録)方式を採用している点が最大の特徴です。回転数は7200rpm、キャッシュは256MBと、読み書きの応答性にも優れています。
このドライブは、複数ベイのNASケースに組み込んでRAIDアレイを構築する用途を第一に想定しています。CMR方式により、RAID5やRAID6といったパリティベースのアレイでもリビルド時間が安定し、長期的な信頼性が求められるホームサーバーや小規模オフィスのバックアップストレージに最適です。
市場での立ち位置としては、エントリーからミッドレンジのNAS向けHDDの中でも「信頼性重視」のセグメントに位置します。同容量のWD Red(SMR)より価格はやや高めですが、CMRであることと3年間のメーカー保証が付く点で、データ保全を優先するユーザーから支持を得ています。
互換性ガイド
WD120EFBX-ECは3.5インチフォームファクターのSATA 6Gbpsインターフェイスを備えています。そのため、3.5インチベイを持つほとんどのNASケースやデスクトップPCに物理的に取り付け可能です。接続には標準のSATAデータケーブルとSATA電源ケーブルが必要です。
対応するNASとしては、Synology、QNAP、ASUSTOR、NETGEAR ReadyNASなど主要メーカーの機種が挙げられます。ただし、一部のエントリーモデルでは12TBまでの容量を公式サポートしていない場合があるため、購入前にNASメーカーの互換性リストを確認することをおすすめします。
デスクトップPCに増設する場合も、マザーボードのSATAポートが空いていることと、電源ユニットに余剰のSATA電源コネクタがあることを確認してください。3.5インチベイがない小型ケースでは、別途マウンタや変換ブラケットが必要になることがあります。
商品情報
WD120EFBX-ECは、Western Digitalが2020年にリリースしたWD Red Plusシリーズの12TBモデルです。書き込み方式はCMR、フォームファクターは3.5インチ、回転数7200rpm、キャッシュ256MB、インターフェイスはSATA 6Gbps。保証期間はメーカー標準の3年間です。
価格帯は通販サイトで約99,999円前後(時期により変動あり)。同容量のSeagate IronWolf(CMR)やToshiba N300と競合しますが、WD Red PlusはNASware 3.0テクノロジーによるエラー回復制御の最適化が強みで、RAID環境でのタイムアウト障害を低減します。
市場での立ち位置は「信頼性重視のミドルレンジNAS向けHDD」です。エントリークラスのSMR製品より高価ですが、CMRであることと3年保証により、データの安全性を優先するユーザーに適しています。
おすすめユーザー
- ホームNASを構築するユーザー: 写真や動画のバックアップ、ファイルサーバーとしてNASを運用する方に最適です。CMR方式によりRAIDアレイのリビルドが安定して完了するため、データ損失リスクを抑えられます。ただし、SSDのような高速なランダムアクセスを求める方には不向きです。
- 小規模オフィスのバックアップストレージ: 複数台のPCのデータを一元管理したい小規模オフィスで、NASにこのHDDを搭載すれば、コストパフォーマンスの高いバックアップ環境を構築できます。ただし、24時間365日運用する場合は、WD Red Proシリーズ(より高い耐久性)を検討したほうがよいでしょう。
- 大容量ストレージを求めるデスクトップユーザー: ゲームのインストールや動画編集のメディアストレージとして、内蔵HDDを増設したい方にも適しています。7200rpmの回転数により、大容量ファイルのシーケンシャル転送は十分な速度を発揮します。ただし、OSやアプリケーションの起動ドライブとしてはSSDを併用することを強く推奨します。
購入前の注意点
まず、このドライブはCMR方式ですが、WD Red Plusシリーズの中でも12TBモデルはプラッター枚数が多く、発熱と振動が少なからず発生します。エアフローが不十分なケースや密閉度の高いNASでは、冷却ファンを追加するなどの対策を検討してください。
次に、競合のSeagate IronWolf 12TB(ST12000VN0008)もCMRで同価格帯ですが、IronWolfは追加で「AgileArray」テクノロジーによるRVセンサーを搭載しており、マルチベイ環境での振動耐性に優れています。8ベイ以上の大規模NASを構築する場合は、IronWolfシリーズも比較対象に入れるとよいでしょう。
最後に、WD Red Plusの保証期間は3年ですが、WD Red Proは5年保証です。24時間稼働が前提の業務用NASでは、保証期間の長さが運用コストに直結するため、予算に余裕があればWD Red Proを検討する価値があります。
よくある質問
Q: このHDDをデスクトップPCの起動ドライブとして使えますか?
A: 技術的には可能ですが、おすすめしません。OSやアプリケーションの起動にはSSDの方が圧倒的に高速です。このHDDは大容量ファイルの保存やNASでの使用を想定して設計されています。
Q: WD Red(SMR)とWD Red Plus(CMR)の違いは何ですか?
A: 最大の違いは記録方式です。WD Red PlusはCMR(従来型磁気記録)を採用しており、RAIDアレイでのリビルドや大量書き込み時のパフォーマンスが安定しています。WD Red(SMR)は書き込み後に読み取り専用となる領域が発生するため、RAID環境では推奨されません。
Q: このHDDはSynology DS220+に搭載できますか?
A: はい、Synology DS220+は3.5インチSATA HDDに対応しており、12TBまでのドライブを公式サポートしています。ただし、DSMのバージョンによっては最大容量に制限がある場合があるため、最新の互換性リストをSynologyのWebサイトで確認してください。
販売情報
(Amazon参照)
- メーカー名: ウエスタンデジタル(Western Digital)
- 販売元: イーアキバ
- 出荷元: イーアキバ
- ASIN: B08W1VQB5R
- 注記: 本記事はメーカー製造品をAmazon掲載情報に基づいて紹介しています。




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