概要
Glorious GMMK 2 65%(Pre-Built / ホワイト、型番 GLO-GMMK2-65-FOX-W、国内流通コード KB628)は、67キーの65%レイアウトを採用したホットスワップ対応メカニカルキーボードです。工場潤滑済みの Fox リニアスイッチが最初から組み込まれた完成品モデルなので、はんだごてもスイッチ選びも不要で、箱から出してすぐ使えます。
結論から言えば、これは「自作キーボードの入口に立ちたいが、いきなりパーツを買い集める気はない人」に最も向く製品です。ホットスワップソケットのおかげで、使い込んでから「もう少し重いスイッチがいい」「クリック感が欲しい」と思ったときにスイッチだけ交換できます。逆に、日本語配列が必須の人や、独立したファンクションキー列を毎日使う人には最初から向きません。
Amazon.co.jp のレビューは 2026年6月3日取得時点で 76 件、平均 4.3/5(好評率にして約 86%)。母数は決して多くありませんが、評価は安定して高い部類です。
65%レイアウトで何が消えるのか
購入前に一番理解しておくべきなのは「67キーで何が省かれるか」です。65% は 60% とテンキーレス(TKL)の中間にあたるサイズで、ざっくり次のような違いがあります。
| レイアウト | おおよそのキー数 | 矢印キー | ファンクション列 | テンキー |
|---|---|---|---|---|
| フルサイズ | 104 前後 | 独立 | 独立 | あり |
| TKL(テンキーレス) | 87 前後 | 独立 | 独立 | なし |
| 65%(本機) | 67 | 独立 | Fn 併用 | なし |
| 60% | 61 前後 | Fn 併用 | Fn 併用 | なし |
65% の要点は「矢印キーが独立して残っている」ことです。60% では矢印すら Fn レイヤーに追いやられるため、文章編集やブラウジングのたびに指が止まります。本機はそこを避けつつ、ファンクション列とテンキー、そして Delete 周りのナビゲーションキー群を削ってサイズを詰めています。
実務への影響は用途で大きく変わります。F5 更新、F2 リネーム、Excel の F4 絶対参照、ゲーム内で F1〜F12 にスキルを割り当てる MMO / MOBA — これらを頻繁に使う人は、毎回 Fn を押す運用に慣れる必要があります。逆に FPS のように WASD と数字段しか使わないジャンルでは、削られたキーはほぼ体感に影響しません。
互換性ガイド
接続は USB Type-C の着脱式ケーブル 1 本のみで、有線専用です。Windows / macOS / Linux いずれでも、標準の HID キーボードとして追加ドライバなしで認識されます。BIOS/UEFI 画面や OS インストーラでも問題なく使えるのが有線 USB の利点で、この点は無線モデルに対する明確なアドバンテージです。
キーリマップと RGB 制御は専用ソフト「Glorious CORE」で行います。注意したいのは、この手のソフトは基本的に Windows 中心の作りである点で、macOS / Linux では「キーボードとしては動くが、設定変更は Windows 機で行う」という運用になりやすいことです。設定をボード側のオンボードメモリに保存できれば、以後は他 OS でもその設定のまま使えます。導入前に、自分の環境で設定を書き換える手段があるかを確認しておくと安全です。
スイッチ側の互換性は、仕様上 3ピン / 5ピン の MX 互換スイッチに対応します。市販の Gateron、Kailh、TTC などの MX 系リニア/タクタイル/クリッキーは基本的に載せ替え可能です。ただし磁気式(ホール効果)スイッチや Optical スイッチ、Kailh Choc のようなロープロファイル軸は構造そのものが異なるため装着できません。ラピッドトリガー目当てで磁気軸に載せ替えたい、という用途にはこのボードは使えないので、そこは最初から別の製品を検討してください。
キーキャップは PBT ダブルショット(英語刻印)。互換性の観点では、本機は 65% レイアウト特有の右下キー幅を持つため、汎用の 104 キーキャップセットを買っても一部のキーが余ったり足りなかったりします。キーキャップを交換する予定があるなら「65% 対応」または「1.75u Shift・1u 右 Ctrl 相当のキーを含む」セットを選んでください。ここは初心者が最もつまずくポイントです。
物理的な設置面では、テンキーレスよりさらに横幅が短いため、マウスを大きく振る低感度 FPS プレイヤーにとってはデスクの実効面積が明確に広がります。持ち運びについても、ケーブルが着脱式なので本体だけをスリーブに入れてバッグに収められます。
商品情報
主な仕様は、Fox リニア(工場潤滑済み)スイッチ、67キー(65%)、English/US ANSI 配列、USB Type-C 着脱式接続、per-key RGB バックライト、PBT ダブルショットキーキャップ、3ピン/5ピン ホットスワップ対応、Glorious CORE 対応、というものです。工場潤滑済みという点は地味ですが実利があり、素の状態でもスプリングのシャリつきやハウジングの擦れ音が抑えられ、自分で潤滑する手間を省けます。
価格については、取得時点によって大きく差があるため注意が必要です。Amazon の掲載価格は 2026年6月3日取得時点で ¥13,291、2026年8月27日取得時点では ¥6,900 でした。同一 ASIN(B096DDZD8J)に対する記録ですが、これは通常価格とセール価格の差、あるいは出品者の入れ替わりによるものと考えられます。いずれにせよ、この記事の価格は「取得時点のスナップショット」であり、購入時点の実売価格は必ず商品ページで確認してください。海外マーケットプレイス(eBay US)では 2026年7月15日取得時点で $165.70 という記録もありますが、こちらは並行輸入・転売相場を含むため、国内で買える価格の参考にはしないほうが賢明です。
ユーザー評価は前述のとおり、2026年6月3日取得時点で 76 件・平均 4.3/5。レビュー件数が 3 桁に届いていないため、統計としては「悪くないが、突出した外れ値が数件混ざるだけで平均が動く規模」だと理解しておくとよいでしょう。
競合とどう違うか
同じ価格帯には、ワイヤレス 3 モード対応・ガスケットマウント・ノブ付きといった「全部入り」を謳う中国系ブランドの 75% / 96% ボードが多数あります。機能の数だけを並べれば、それらのほうが明らかに多機能です。本機が有線・USB 一本槍である以上、無線が要件に入るなら比較の土俵にすら乗りません。
それでも本機を選ぶ理由があるとすれば、次の 3 点です。第一に、有線固定であることの信頼性 — 遅延も電池切れもファームウェアの接続不良も存在しません。第二に、出荷時点でスイッチが潤滑済みで、追加投資なしに整った打鍵感が得られること。第三に、Glorious というブランドが長く流通しており、スイッチやキーキャップといった周辺の消耗品を後から入手しやすいことです。
逆に、ノブによる音量操作、ディスプレイ付きの多機能パネル、QMK/VIA によるオープンなファームウェア書き換え、ラピッドトリガー対応の磁気軸といった要素が欲しいなら、それぞれを目的に設計された別の製品を選ぶべきです。本機は「派手さより素直さ」で評価されるタイプの製品です。
おすすめユーザー
最も向くのは、デスク上のマウススペースを最優先したいゲーマーです。テンキーレスからさらに一段小さくなるため、ローセンシで大きく腕を振るプレイスタイルでもキーボードに手首がぶつかりません。
次に、自作キーボードに興味はあるがキットから組む勇気が出ない人。はんだ付けなしでスイッチだけ差し替えられるので、リニア/タクタイル/クリッキーを実際に指で比べる第一歩として費用対効果が高い選択です。
三つ目に、US ANSI 配列を日常的に使うプログラマや、複数台の PC を渡り歩くエンジニア。有線でドライバ不要のため、貸し出し機や検証機に挿しても即座に使えます。着脱式ケーブルなので携行性も確保できます。
一方、次に当てはまる人には勧めません。日本語入力の「変換/無変換」キーや JIS 配列が必須の人、Excel や動画編集で F キーを多用する人、ワイヤレスで机上のケーブルを減らしたい人、テンキーで数値入力を行う経理・データ入力業務の人。これらは慣れで解決する範囲を超えており、買ってから後悔しやすい典型です。
購入前の注意点
最大の落とし穴は、Fn レイヤーの学習コストです。65% では F1〜F12 に加え、Delete / Insert / Home / End / PageUp / PageDown の一部が Fn との同時押しになります。最初の 1〜2 週間はショートカットのたびに手が止まると考えてください。特に、既存の業務マクロやゲーム内キーバインドが F キー前提で組まれている場合、キーボード側ではなくソフト側の設定を見直す必要が出ます。
次に、リニアスイッチは「静か」ではなく「引っかかりがない」という意味だという点。工場潤滑済みの Fox リニアは擦れ音が少なく滑らかですが、底打ちすればプラスチックが当たる音は出ます。サイレント軸(ダンパー入り)とは別物なので、Web 会議中の打鍵音をゼロに近づけたい用途なら、静音仕様のスイッチへ載せ替える前提で考えてください。ホットスワップ対応はここで効いてきます。
三つ目に、キーキャップ交換時のサイズ問題。前述のとおり 65% は右下の並びが特殊で、汎用セットが素直に収まらないことがあります。「ベースキットだけ買ったら Shift が入らなかった」というのは定番の失敗です。
四つ目に、価格のブレ。同一商品でありながら、取得時点によって ¥13,291(2026年6月3日)と ¥6,900(2026年8月27日)という記録が残っています。急いで買う理由がないなら、数日〜数週間の値動きを見てから判断する価値があります。海外マーケットプレイスの相場(2026年7月15日取得時点で $165.70)に引きずられて「安い今が買い時」と判断しないでください。
最後に、商品ページの登録情報そのものを確認してください。Amazon の掲載データは自動的に付与される項目が多く、販売元の切り替わりに伴って型番・付属品・配列(US / JIS)の記載が実物と食い違うことがあります。特に本機は同じ GMMK 2 シリーズに 65% と 96% があり、色違い・スイッチ違いのバリエーションも存在します。注文前に、商品画像とタイトルで「65%」「White」「Fox スイッチ」「US 配列」であることを自分の目で照合するのが確実です。
よくある質問
Q. スイッチはどんな種類に交換できますか? A.
3ピン / 5ピン の MX 互換スイッチに対応します。一般的な Gateron / Kailh / TTC のリニア・タクタイル・クリッキーは載せ替え可能です。磁気式(ホール効果)、Optical、ロープロファイル軸は構造が異なるため装着できません。
Q. ラピッドトリガーには対応していますか?
A. 対応していません。本機はメカニカルスイッチ用のホットスワップソケットを備えたボードで、アナログ入力を読む磁気軸用の設計ではありません。ラピッドトリガーが目的なら、磁気軸専用のキーボードを検討してください。
Q. 無線で使えますか?
A. 使えません。接続は USB Type-C の有線のみです。ケーブルは着脱式なので、持ち運びや取り回しの自由度はありますが、Bluetooth や 2.4GHz レシーバーには非対応です。
Q. macOS で使えますか? A.
キーボードとしては追加ドライバなしで動作します。ただし、キーリマップや RGB の設定を行う Glorious CORE の利用環境については、購入前にメーカーの対応 OS 表記を確認してください。設定をオンボードに保存できれば、書き換え済みの状態で他 OS に持ち込む運用が可能です。
Q. 日本語入力(かな漢字変換)は問題なくできますか? A.
できますが、US ANSI 配列のため OS 側で「英語配列」として設定し、変換のオン/オフは Alt+` などのショートカットに割り当てる必要があります。「変換」「無変換」キーは物理的に存在しません。JIS 配列の運用をそのまま持ち込みたい人には不向きです。
Q. キーキャップは市販品に交換できますか?
A. 交換できます。ただし 65% レイアウトに対応したセット(右下の Shift / Ctrl 周りのサイズが合うもの)を選んでください。フルサイズ向けの汎用セットでは一部のキーが余る・足りないことがあります。
商品情報
(Amazon参照)
- メーカー名: GLORIOUS
- 販売元: Amazon.co.jp
- 出荷元: Amazon.co.jp
- ASIN: B096DDZD8J
- 注記: 本記事はメーカー製造品をAmazon掲載情報に基づいて紹介しています。





