本格水冷の始め方|必要な部品、費用、事故を防ぐ設計
本格水冷は性能のためだけの選択ではありません。静かさと見た目のための選択でもあります。費用と手間が見合うかを先に判断してください。
簡易水冷との違い
簡易水冷(AIO)は密閉された完成品で、取り付けるだけです。本格水冷は部品を選んで自分で組み、冷却液を自分で入れます。
冷やす能力の差は、ラジエーターの面積でほぼ決まります。同じ面積なら簡易水冷と大きくは変わりません。本格水冷が有利なのは、GPUも同じループで冷やせる点と、大きなラジエーターを積める点です。
静かさは本格水冷が有利です。大きなラジエーターを低い回転数で回せるためです。
| 部品 | 役割 | 選ぶときの注意 |
|---|---|---|
| CPUウォーターブロック | CPUの熱を水へ移す | ソケット対応を確認する |
| GPUウォーターブロック | GPUの熱を水へ移す | 基板の型ごとに専用。同じ型番でも基板違いは付かない |
| ラジエーター | 水の熱を空気へ逃がす | 厚みとファンの相性。ケースの対応寸法 |
| ポンプ | 水を回す | リザーバー一体型が扱いやすい |
| リザーバー | 空気抜きと補充 | 無いと空気が抜けきらない |
| フィッティングとチューブ | つなぐ | 内径・外径をチューブと合わせる |
| 冷却液 | 熱を運ぶ | 防腐剤入り。色付きは詰まりやすい |
漏れを防ぐ
漏れの多くは、フィッティングの締め不足か、チューブの曲げすぎによる抜けです。部品の故障で漏れることはまれです。
組んだら必ず、他の部品に通電しない状態で水を回します。ポンプだけを動かす方法(電源ユニットの端子を短絡させる、または専用のジャンパを使う)で、最低でも数時間は回してください。
ラジエーターは新品でも金属の削りかすが残っていることがあります。組む前に水で洗い流してください。これを怠るとポンプが傷みます。
費用と手間
CPUだけのループで、部品一式におよそ5万〜8万円。GPUも含めると10万〜15万円が目安です(2026年時点、国内で入手した場合)。ケースやファンは別です。
冷却液は1〜2年で交換します。放置すると藻や腐食が出て、詰まりの原因になります。この手間を許容できるかが、簡易水冷との分かれ目です。
旅行や長期の不在が多い場合、漏れたときに気づけない点は考慮してください。
よくある質問
本格水冷は空冷よりどれくらい冷えますか?
ラジエーターの面積次第です。360mmクラスなら、大型の空冷クーラーに対してCPU温度で10℃前後下がることが多いですが、同じ面積の簡易水冷との差は小さいです。本格水冷の利点は、GPUも同じループで冷やせる点と静かさにあります。
漏れたらパーツは壊れますか?
通電中に漏れれば壊れる可能性があります。だからこそ、組んだ後に必ずポンプだけを動かして数時間の漏れ確認を行います。この工程を省かないでください。