水冷を部品から組む|ポンプ単体・D5とDDCの選び方と制御
ポンプ一体型のリザーバーを使わず、ポンプ単体(モーター部)から組むと、配置の自由度が大きく上がります。そのぶん、取り付けと制御を自分で決める必要があります。
D5とDDCの違い
水冷で使われるポンプは、事実上この2種類です。どちらもドイツ製の設計が元になっており、各社が同じ機構で作っています。
D5は流量が多く、静かで、発熱が少ないのが特徴です。ただし大きく、取り付け場所を選びます。DDCは小さく、圧力(揚程)が高いので、細い流路やGPUブロックが多いループに向きますが、発熱が大きく音も高めです。
ラジエーターとブロックを直列に多くつなぐほど抵抗が増えます。抵抗が大きいループではDDC、素直なループではD5、という選び方が実用的です。
| D5 | DDC | |
|---|---|---|
| 最大流量 | 多い(約1500L/h) | 少なめ(約1000L/h) |
| 最大揚程 | 低め(約3.9m) | 高い(約5.2m) |
| 発熱 | 小さい | 大きい(ヒートシンク推奨) |
| 音 | 低い唸り | 高めの音が出やすい |
| 大きさ | 大きい | 小さい |
| 向くループ | ラジエーター中心の素直な構成 | GPUブロックや細い流路が多い構成 |
取り付けと振動
ポンプの音の多くは、モーターの音ではなく、ケースに伝わった振動です。金属に直接ねじ止めすると、ケース全体が共鳴して音が大きくなります。
ゴムのブッシュやマウントを挟むと、体感で大きく変わります。専用のマウントが各社から出ています。
ポンプはループの最も低い位置に置いてください。ポンプが高い位置にあると、空気を吸って空回りし、冷えなくなります。リザーバーはポンプの直前(吸込側)に置きます。
電源の取り方と回転数の制御
ポンプはSATA電源かペリフェラル(4ピン)で電力を取り、回転数の指示はマザーボードのファン端子から受けるのが一般的です。ファン端子だけで駆動しようとすると、電流が足りません。
マザーボード側では、その端子をPWM制御に設定します。DC制御(電圧制御)にすると、ポンプによっては起動しなかったり、異常な回転になります。
ポンプの回転数は下げすぎないこと。 静かにしたくて絞ると、流量が落ちて冷えなくなります。多くの場合、ポンプは一定の回転で回し、静音はファン側で調整するほうが結果が良くなります。
回転数の監視は必ず有効にしてください。ポンプが止まったことに気づかないまま高負荷をかけると、短時間で危険な温度になります。
配管の順番
冷却の効果という点では、配管の順番はほとんど影響しません。水は循環していて、ループ全体の水温はどこでもほぼ同じになるためです。
順番が効くのは空気抜きのしやすさです。リザーバー → ポンプ → ラジエーター → ブロック → リザーバー、の順にすると、空気がリザーバーへ戻りやすくなります。
見た目のために交差させると、チューブが潰れて流量が落ちることがあります。曲げ半径には余裕を持たせてください。
よくある質問
ポンプはどれくらいの回転数で回せばいいですか?
多くのループでは、最大の6〜8割程度で十分な流量が得られます。静かにしたい場合でも、流量が落ちすぎない範囲にとどめ、静音はファン側で調整してください。
ポンプが故障したらどうなりますか?
水が回らなくなり、短時間で温度が上がります。BIOSで回転数の下限を設定し、下回ったら停止するようにしておいてください。ポンプは消耗品で、数年で交換する部品です。