Lian Li UNIファンTLフレックス120リバースブレードARGB PWMファンは、「配線を増やさずにファンを増やしたい」「ガラス面にブレードの面を見せたい」という二つの要求へ同時に答えるための120mmファン3台パックです。結論を先に書くと、前面や底面を吸気にしてサイドパネル越しに見せるレイアウトなら、この製品の設計はそのまま効きます。逆に、必要なファンが1台だけの人や、光らせる予定が無い人には価格に見合いません。

概要

本製品はUNI FANシリーズの連結機構を引き継ぎつつ、ブレードの向きを反転させたリバースブレード版です。通常のファンは風が入る面にブレードの表側が、風が出る面にモーターハブと支持ステーが見えます。そのため前面吸気や底面吸気の構成では、ケースの外(ガラス側)から見える面がハブ側になり、せっかくのARGBブレードが正面を向かないというねじれが起きます。リバースブレードはこのねじれを解消するための製品で、風向きを変えずに「見える面」だけを入れ替えられる点が本質です。

冷却側の数字は、最大2300RPMで風量83.4CFM、静圧2.66mmH2O、騒音31dBA。軸受けはFDB(流体軸受け)、ブレード素材はLCP(液晶ポリマー)で、剛性の高い素材を使って高回転域でのブレードのたわみを抑える構成です。83.4CFMは120mmクラスでは上位の風量で、静圧2.66mmH2Oはラジエーターや防塵フィルター越しでも風を押し通せる水準にあります。Amazon.co.jpの評価は5つ星のうち4.6、レビュー23件(好評率92%)で、件数は少ないものの評価は高い部類です。

3台パック(ホワイト)には、L-Wirelessコントローラー、PWM/ARGBハブ、各種ケーブル、マグネット式RGBカバー、スタンドオフネジが付属します。制御はL-Connect 3ソフトウェア、マザーボードのPWM/ARGBヘッダー、付属コントローラーによるワイヤレスの三択で、ビルドの方針に合わせて選べます。

互換性ガイド

取り付け穴は標準的な120mmファンマウントで、1台あたりの寸法は120×120×25mmです。厚みは標準の25mmなので、ケース側面・前面・底面のほか、120mmラジエーターや対応する空冷クーラーにも装着できます。ただしスリムファン(15mm厚など)専用のクリアランスしか無い場所には入りません。UNI FAN系は連結とコネクターのためにフレーム側面を使う構造なので、ファンの脇にメモリのヒートシンク、ケーブルホール、ポンプヘッドが迫るレイアウトでは、取り付け前に実測することをおすすめします。

電気的な接続は4ピンPWMと5V 3ピンARGBの2系統です。付属ハブへ3台をまとめ、ハブからマザーボードのPWMヘッダーとARGBヘッダーへそれぞれ1本ずつ出す形になるため、ヘッダーの消費は最小限で済みます。ARGB同期はASUS Aura Sync、Gigabyte RGB Fusion、MSI Mystic Light、ASRock Polychromeに対応し、ARGBヘッダーを持たない旧型のボードでも、付属コントローラー側で発光を制御できます。

見落としやすいのがワイヤレス制御の前提条件です。L-Wirelessコントローラーはマザーボード上のUSB 2.0内部ヘッダーを1基使います。Mini-ITXや一部のMicroATXでは内部USB 2.0ヘッダーが1基しか無く、簡易水冷のポンプ制御、フロントパネルのUSB、別のARGBコントローラーなどと取り合いになりがちです。先に自分のボードのヘッダー数を数え、足りなければ分岐ハブを用意してください。

仕様表の定格電圧は5V、消費電力は4.08Wと記載されています。一般に4ピンPWMファンのモーターは12Vヘッダーで駆動し、5VはARGB LED側の電圧なので、この5Vという記載はARGB系統を指していると読むのが自然です。ただし断定はできないため、電源容量をシビアに詰める場合は製品ページの記載を確認してください。いずれにせよ4.08Wが1台あたりの値なら3台で約12W規模で、一般的なATX電源で問題になる数字ではありません。

商品情報

価格は2026年9月8日の取得時点でAmazon.co.jpが¥25,811(3台パック)でした。単純に3で割ると1台あたり約¥8,600で、ARGB・連結機構・ワイヤレスコントローラー込みの価格としては上位帯に入ります。価格は頻繁に動き、セール時は特に変動が大きいので、購入前に必ず商品ページで最新の価格を確認してください。なお収集データでは「Amazon US」として登録された項目にも同じASIN・同じ円建て価格が入っており、これは国内リスティングの重複と見られます。ドル建ての海外価格として読まないでください。

項目 読み方
寸法(1台) 120 × 120 × 25 mm 標準厚。スリム専用マウントには入らない
最大回転数 2300 RPM ケースファンとしては高め。常用は5〜7割で足りる
最大風量 83.4 CFM 120mmクラスでは上位
静圧 2.66 mmH2O ラジエーター・フィルター越しでも通る水準
騒音 31 dBA 最大回転時の値。低回転域はさらに静か
軸受け FDB(流体軸受け) 長寿命・低騒音寄りの方式
ブレード素材 LCP(液晶ポリマー) 高剛性でたわみにくい
コネクター 4ピンPWM+5V 3ピンARGB どちらも標準規格のヘッダー

表の数値はいずれもメーカー公称の最大値です。実際の運用では2300RPMを常用することはまずなく、ファンカーブで5〜7割に落として使えば、31dBAという上限値よりはるかに静かに収まります。逆に言えば、静音性を売りにする低回転特化型のファンとは設計思想が違い、必要なときに風量を出せることを優先した製品です。パッケージ寸法は11×15.8×13.3cmで、保証はメーカー2年、発売は2025年後半とされています(付属品・保証条件は購入前に製品ページで確認してください)。

通常ブレード版・競合との比較

まず押さえるべきは、リバースブレードは「速いファン」ではなく「向きの違うファン」だということです。冷却の数字で通常版を上回るための製品ではなく、風向きと見せたい面が噛み合わないレイアウトを救うための製品です。したがって、ケース内の全ファンをリバースに置き換えるのは誤りで、ブレード面が自然に見える位置(多くのケースではトップ排気やリア排気の内側)には通常版を使い、ガラス越しに裏面が見えてしまう吸気位置にだけリバースを使うのが正解です。

同じくリバースブレードを採用する製品には、Thermaltake CT120 Reverse EX ARGB Syncの3枚セットやJONSBO ZA-360WR(リバース)などがあり、当サイトにも個別記事があります。連結機構とワイヤレス制御まで含めた総合的な配線の減り方ではUNI FAN TL Flexが有利ですが、価格を抑えたいなら他社のリバース製品も現実的な選択肢です。また、発光を必要とせず単に風量が欲しいだけなら、同じ予算でより多くの非ARGBファンが買えます。ここは見た目にいくら払うかという判断です。

取り付けと配線の流れ

最初にやるべきは風向きの確認です。リバースブレードは見た目のブレード形状から風向きを推測すると必ず間違えるので、フレーム側面に刻印された矢印で吸気・排気の向きを確認してください。ここを間違えると、見た目は完璧なのにケース内のエアフローが喧嘩するという、原因の分かりにくい温度上昇を招きます。

配線は、3台をデイジーチェーンで連結してから付属ハブへ1本、ハブからマザーボードのPWMヘッダーとARGBヘッダーへ各1本という流れです。ワイヤレス制御を使う場合はL-WirelessコントローラーをUSB 2.0内部ヘッダーへ接続し、L-Connect 3を導入します。ファンカーブはCPU温度だけを基準にすると瞬間的な負荷で回転が上下して耳障りになるため、マザーボードの温度センサーや簡易水冷の水温を基準にし、最低回転をゼロにしない設定のほうが体感は安定します。

おすすめユーザー

  • 配線を減らしたいビルダー — デイジーチェーン連結でヘッダーとケーブルの本数を大きく削れます。ファンを3台以上使う構成ほど恩恵が大きく、裏配線スペースの狭いケースでは効果が実感しやすい部分です。
  • 吸気側にブレード面を見せたい人 — 前面吸気や底面吸気でガラス側にブレードを向けたい構成では、この製品でなければ解決できない問題があります。見た目のために風向きを妥協する必要がなくなります。
  • 静かさと風量を両立したいゲーマー/クリエイター — 最大2300RPM・83.4CFMの余力があるので、普段は低回転で静かに回し、高負荷時だけ風量を出す運用ができます。静圧2.66mmH2Oならラジエーターにも使えます。
  • 後からファンを増やす予定がある人 — ハブとコントローラーを最初に確保しておけるため、同シリーズを買い足す形で拡張しやすい構成です。

逆に、必要なファンが1台だけの人、発光にこだわらない人、予算を最優先する人には向きません。その場合は通常ブレードのTLシリーズや、ARGB無しの汎用120mmファンのほうが費用対効果で上回ります。

購入前の注意点

3台パック前提の価格であること。 2026年9月8日取得時点で¥25,811という価格は、1台あたり約¥8,600の計算になります。1〜2台だけ欲しい人にとっては割高で、3台をまとめて使う構成(前面吸気3連、底面吸気3連、360mmラジエーターなど)で初めて価格の意味が出ます。

全部をリバースにしないこと。 前述のとおりリバースブレードは万能の上位版ではありません。見える面が自然に揃う位置には通常版を使い、必要な場所にだけ使う。この使い分けができない構成では、割高な通常ファンを買っただけになります。

ワイヤレス制御にはUSB 2.0内部ヘッダーが1基必要。 ここが足りないケースは珍しくありません。特にMini-ITXでは内部USB 2.0が1基しか無いことが多く、簡易水冷やフロントパネルと取り合いになります。ヘッダーを確保できないなら、ワイヤレス機能ぶんの価格は死に金になるので、通常版TLのほうが合理的です。

ソフトウェア常駐が前提になる機能がある。 細かい発光制御や一括同期はL-Connect 3側で行うため、常駐ソフトを入れたくない人はマザーボードのPWM/ARGB制御だけで使うことになります。その使い方なら本製品の付加価値の半分は使いません。

既存のUNI FANに買い足す場合はシリーズと世代を揃えること。 連結機構や制御の互換は世代・シリーズによって異なる場合があります。手元のファンと連結できる前提で買うと嵌まるので、型番レベルで確認してください。

レビュー件数が23件と少ないこと。 4.6/5(好評率92%)という評価自体は良好ですが、母数が薄いため個体差や初期不良率の傾向を読み取るには足りません。発売から日が浅い製品の評価としては参考程度に留めるのが妥当です。

商品ページの登録情報に食い違いがあること。 今回のデータでも、海外向けとして登録された価格欄に国内と同じASIN・同じ円建て価格が入っていました。Amazonの商品ページではメーカー名や型番の登録が別商品のものになっている例もあります。購入前には商品画像とタイトルで、対象がリバースブレードの3台パック(ホワイト)であることを必ず確認してください。

なお、白い樹脂部品は設置環境(直射日光や熱)によって経年で色味が変わることがあります。ホワイトで統一したビルドでは、他の白色パーツとの色差が出る可能性を頭に入れておくと安心です。

よくある質問

Q. 通常のTLファンとどちらを買うべきですか。 A.

ガラス越しに見える面がブレード側になるかどうかで決めてください。トップやリアの排気のように、通常版でブレード面が見える位置なら通常版で十分です。前面・底面の吸気で裏面が見えてしまう位置だけリバースを使うのが、最も無駄のない買い方です。

Q. マザーボードに5V ARGBヘッダーがありません。使えますか。
A. 使えます。付属のコントローラー側で発光を制御できるため、ARGBヘッダーを持たない世代のボードでも光らせられます。ただしマザーボードのソフトウェアとの一括同期はできなくなります。

Q. ラジエーターに使えますか。
A. 静圧2.66mmH2O、風量83.4CFM、厚み25mmの標準寸法なので、120mm単位のラジエーターに取り付けられます。ラジエーター用途では風向きの誤りが冷却性能に直結するため、フレームの矢印で向きを確認してください。

Q. 4台以上に増やせますか。
A. 付属ハブは1グループあたり最大4台までの接続に対応します。それ以上に増やす場合はハブやコントローラーの追加が必要になるので、最終的な台数を決めてから買い足すほうが無駄がありません。

Q. リバースブレードにすると冷却性能は落ちますか。 A.

本製品の公称値は83.4CFM/2.66mmH2Oで、120mmクラスとしては上位の数値です。通常版との直接比較データは手元にないため、両者の差を数値で断定はできません。少なくとも「リバースだから冷えない」と決めつける必要はなく、向きの選択の問題として考えてください。

Q. 最大31dBAは静かですか。
A. これは2300RPMまで回し切ったときの値です。ファンカーブで5〜6割に落とせば体感の騒音は大きく下がるため、常用域での静かさは設定次第と考えてください。