『What Remains of Edith Finch:奇妙な家族の物語』は、最後の生き残りとなったイーディスが、長く離れていたフィンチ家の屋敷へ戻り、亡くなった親族たちの記憶をたどる一人称視点のアドベンチャーです。巨大な家を歩き、封鎖された部屋へ入る手掛かりを探し、残された手紙や品物を通じて家族の最期を追体験します。2018年のBAFTAゲームアワードで最優秀ゲーム賞を受賞した作品で、戦闘や育成よりも、空間そのものを使った語りと短編ごとに変化する操作体験を重視しています。
ゲーム概要
基本の流れは、フィンチ邸を探索し、家族の記録を見つけ、その人物を題材にした短い物語を体験するというものです。屋敷は単なる背景ではなく、増築を重ねた奇妙な構造、閉ざされた寝室、残された生活用品が、家族の歴史を伝える展示物のように配置されています。文章による説明だけでなく、部屋の状態や物の置き方から人物像を想像させるため、周囲を観察するほど物語の手触りが増します。
各エピソードでは視点や操作方法、画面表現が切り替わります。同じ仕組みを反復する一般的な探索ゲームとは異なり、ある人物の記憶に入るたびに、その人物の年齢や想像力、死を受け止める感覚に合わせた遊びへ変わるのが特徴です。個々の話は独立した短編として読める一方、屋敷を進むにつれて家系全体のつながりと、イーディスが戻ってきた理由が見えてきます。
特徴・システム
中心になるのは移動、視点操作、物を調べるといったシンプルな行動です。ただし、文字が景色の中へ現れたり、入力操作そのものが登場人物の感覚を表現したりするため、物語を映像で眺めるだけではありません。プレイヤーの手を通じて語りを進める設計が、映画や小説とは異なる印象を残します。
本作はホラーに分類されることがありますが、敵から逃げ続けるサバイバルホラーではありません。扱う題材は死、喪失、家族に伝わる不吉な運命であり、不穏な音や先の読めない演出が緊張感を作ります。一方で、驚かせることだけを目的とせず、幻想的な場面や静かなユーモアも交えながら、それぞれの人生を異なる調子で描いています。
明確な戦闘、装備収集、キャラクター育成を期待する作品ではなく、進行は物語に沿った直線的な構成です。難しい攻略法を考えるより、演出の変化や屋敷に残された細部を受け取ることが主な楽しみになります。探索型ゲームに慣れていない人でも入りやすい反面、自由な攻略や繰り返し遊べるシステムを求める人には物足りない可能性があります。
動作環境の目安
最低動作環境はWindows 10、Intel i3-2125 3.30GHz以降、GeForce GTX 750またはAMD Radeon 7790以降、メモリ2GB、空き容量5GBです。要求される保存容量は比較的小さいため、導入時の負担は抑えやすい構成です。GPUも現行の高性能モデルを前提としておらず、少し古いゲーミングPCで遊ぶ候補にもなります。
ただし、提供されているのは最低要件であり、特定の解像度やフレームレートを保証する推奨構成ではありません。最低ラインに近いPCでは、解像度や影、アンチエイリアスなどを下げる余地を残しておくのが安全です。内蔵GPUは記載されたGeForce GTX 750またはRadeon 7790と同等とは限らないため、名称だけで判断せず、使用中のGPU性能を確認してください。
フルコントローラーサポートがあるため、ゲームパッド中心でも進められます。精密な照準を競う作品ではないので、キーボードとマウス、ゲームパッドのどちらを選んでも遊びの本質は変わりにくいでしょう。日本語の音声とテキストに対応しているため、語りや環境内の文章を日本語で追いたい人にも適しています。
評価・レビュー傾向
長期にわたって高い評価を保っており、とりわけ短編ごとに操作と美術表現を変える構成、屋敷の環境から家族像を語る手法、終盤で各エピソードが一つの主題へ収束していく点が支持されやすい作品です。派手な分岐を多数用意するのではなく、作者が組み立てた順序で体験させることで、場面転換のテンポと感情の流れを保っています。
一方、低い評価につながりやすいのは、ゲームプレイの自由度が限られている点です。探索と物語鑑賞が大部分を占め、戦闘や複雑なパズル、選択による大幅な展開変化を求める人とは相性が分かれます。また、家族の死を繰り返し扱うため、題材そのものを重く感じる人もいるでしょう。
こんな人におすすめ
物語中心のゲーム、環境から背景を読み取る探索、短編小説を連ねたような構成が好きな人に向いています。操作技術を試すよりも、演出の意味を考えたり、人物ごとに異なる語り口を味わったりしたい人ほど満足しやすいでしょう。長大なシステムを覚えずに、密度のある一人用体験へ集中したい場合にも候補になります。
特に、恐怖を敵との戦闘ではなく、家族の記憶や避けられない結末から感じたい人と好相性です。物語は悲劇を並べるだけでなく、人が故人をどのように語り継ぐのかという視点も含んでいます。エンディングまで見た後に、序盤の部屋や言葉の意味を振り返りたくなるタイプの作品です。
注意点・向かない人
自由に屋敷を改築したり、複数の攻略ルートを選んだりするゲームではありません。物語の順序はおおむね決まっており、各場面の操作も演出に合わせて変化します。オープンワールド、戦利品収集、繰り返し戦える敵などを期待している場合は、購入前に「インタラクティブな物語」が中心だと理解しておく必要があります。
死亡や家族の喪失が全編の核で、子どもの死を想起させる場面も含まれます。写実的な残酷描写だけに依存する作品ではありませんが、題材への心理的な負担は軽くありません。気分が落ち込んでいる時期や、家族の死を扱う物語を避けたい場合には、無理に選ばないほうがよいでしょう。
また、物語の余白を残す作風なので、すべての出来事に明快な正解や説明が提示されるわけではありません。謎を完全に解決する推理ゲームとして選ぶと、結末の受け止め方に戸惑う可能性があります。曖昧さを欠点ではなく、家族の記憶が語り手によって形を変える作品意図として楽しめるかが判断の分かれ目です。
ゲーム情報
開発はGiant Sparrow、パブリッシャーはAnnapurna Interactiveです。PC版はSteamで提供され、リリース日は2017年4月24日です。シングルプレイヤー、Steam実績、フルコントローラーサポート、Steamトレーディングカードに対応しています。





