『ドーナツ郡:穴になって遊ぶ物理パズルアドベンチャー』は、地面に開いた穴を動かし、周囲の物を落として大きくしていく物理パズルゲームです。Ben Esposito氏が開発し、Annapurna Interactiveがパブリッシャーを担当しています。難解な問題を長時間考える作品というより、触って結果を確かめる楽しさと、アライグマのBKが引き起こした騒動を描くユーモア重視の短編です。
ゲーム概要
プレイヤーが操作するのはキャラクターではなく、地面を滑るように移動する穴です。最初は小石や草など、穴より小さい物しか落とせません。しかし物を飲み込むたびに穴が広がり、やがて家具や建物まで対象になるため、各場面では「今の大きさで何を落とせるか」を見極めることが基本になります。
物語の中心にいるBKは、リモコン操作の穴を使って住民の持ち物を地下へ送り込みます。いたずらのつもりだった行動は、BK自身と郡の住民が地下999フィートに閉じ込められる事態へ発展します。地下に集まった住民の証言を通じて騒動を振り返る構成なので、各ステージのパズルが「誰の家が、どのように被害を受けたのか」という物語にもつながっています。
穴を大きくする基本ループ
攻略の入口は単純で、小さい物から順番に飲み込むことです。ただし、目についた物を無作為に落とせばよい場面ばかりではありません。穴に入った物同士が作用したり、地上の仕掛けに影響を与えたりするため、飲み込む順番や穴を置く位置が解法になります。
この仕組みの面白さは、画面内の景色そのものが段階的にパズルの材料へ変わる点にあります。序盤には障害物に見えた大きな物も、穴が成長すれば次の獲物になります。行き詰まったときは、無理に大きな物を狙うより、画面の端や物陰に残った小物を探し、現在の穴に入る物を一段階ずつ片付けるのが有効です。
ステージごとに変わる仕掛け
住民ごとに家や周辺環境が異なり、単なるサイズ順の片付けだけでは終わらない仕掛けが加わります。穴の中に入れた物を利用する場面や、地上にいる生き物・装置の動きを読んで進める場面があり、同じ操作を保ちながら状況を変化させています。操作項目を増やして難しくするのではなく、少ないルールの組み合わせで変化を作る設計です。
一方で、論理を何段階も積み重ねる本格的な難問を期待すると、手応えは軽く感じるでしょう。失敗を重ねて厳密な正解へたどり着くタイプではなく、動かして観察すれば解法を発見しやすい作りです。パズルの難度よりも、物が穴へ滑り落ちる感触、背景の変化、住民同士の会話をテンポよく味わうことに重点があります。
物語とユーモアの見どころ
BKは事態の原因でありながら、自分の責任を素直には認めません。その言い訳に振り回される友人や住民との会話が、物を飲み込むだけでは終わらない作品の個性を作っています。かわいい外見に反して、便利なサービスの裏側や、他人への迷惑を軽く考える態度を風刺するような場面もあります。
物語はステージ間の会話と回想で進むため、パズルだけを急いで遊ぶと魅力の一部を逃します。会話量は大作RPGほど多くありませんが、登場人物の反応が状況説明と笑いの両方を担っています。日本語を含む複数言語に対応しているので、細かな掛け合いを追いながら遊べます。
動作環境の目安
最低動作環境はWindows 10、Intel Core2 Duo E8400、Radeon HD 3870、メモリ2GB、空き容量500MB、DirectX 9.0cです。推奨環境はWindows 10、Intel Core i3-4170以上、GeForce GT 640以上、メモリ4GB、空き容量1GB、DirectX 11となっています。要求されるCPUやGPUは比較的軽く、近年のゲーミングPCで高性能なグラフィックボードを用意する必要性は低いタイトルです。
ただし、最低環境は起動の下限として考え、安定性を重視するなら推奨環境を目安にしてください。ストレージ容量は小さいものの、インストールや更新の余裕を含めて1GB以上を空けておくと安心です。ノートPCや内蔵グラフィックスで遊ぶ場合は、GPU性能が推奨欄のGeForce GT 640に届くかを機種の仕様で確認しましょう。
フルコントローラーサポートがあり、穴を滑らかに動かす操作とは相性が良好です。キーボードとマウスでも遊べますが、ソファで会話と仕掛けをゆっくり楽しみたい人にはコントローラーが向いています。Steam実績とSteamトレーディングカードにも対応しています。
評価・レビュー傾向
長期にわたって好意的に受け止められており、独創的で理解しやすい操作、アニメーションの手触り、会話のユーモアが支持されやすい作品です。複雑な説明を読まずに始められ、短い区切りでステージが進む点も、気軽なパズルを探している人には長所になります。
反対に、不満につながりやすいのは、パズルの難度と全体のボリュームです。歯応えのある謎解きや長期的な育成、広いマップの探索を求める人には物足りない可能性があります。短いこと自体が欠点というより、軽快な一作として遊ぶか、何十時間も没頭できる作品として期待するかで印象が分かれます。
こんな人におすすめ
『ドーナツ郡』は、直感的な操作で環境が変化する様子を楽しみたい人、かわいいキャラクターと少し皮肉な会話が好きな人に向いています。難問で立ち止まるより、物語とパズルを一定のテンポで進めたい人とも相性が良好です。家族と画面を見ながら解法を相談したり、ゲームに慣れていない人が操作したりする用途にも選びやすいでしょう。
また、シングルプレイヤーで完結するため、協力相手の予定を合わせる必要がありません。短いセッションでも区切りをつけやすく、重いアクションゲームの合間に遊ぶ一本としても適しています。物理挙動を使った珍しい仕組みを、複雑な操作なしで体験したい人には特におすすめです。
注意点・向かない人
本格的な物理シミュレーションや、複数の解法を試すサンドボックスを期待すると方向性が異なります。穴は物語とステージ設計に沿って成長し、基本的には用意された順序を読み解いて進みます。自由に街全体を破壊し続けるゲームではありません。
高難度パズル、長大なキャンペーン、繰り返し遊ぶための対戦・協力要素を重視する人にも優先度は下がります。2018年8月28日発売の作品で、対応OSとして示されているのはWindows 10です。古いPCや別のOSで利用する場合は、購入前に現在のストア表記と機種側の互換性を確認してください。





